【フリーランスと働き方改革】第20回: 日本中のビジネスパーソンが「Tシャツ1枚で働ける」日を目指して

新しい働き方ブログ
2017年08月01日

暑い。とにかく暑い。東京は梅雨寒を特に感じることもなく早々に夏本番となった感がある。昼間も暑いし夜も暑い。僕の場合は太っていたり平熱が低かったりするため、特に暑さには敏感なのだ。真冬でも時と場合によっては半袖Tシャツ1枚で過ごすこともあるくらい。よく外国人観光客が冬の東京を半袖姿で歩いているけれど、あの感覚が少し分かる。


夏は涼しいところで暮らすのはどうだろうか......と思って北海道の天気情報を見てみれば、7月20日の釧路市の最高気温はなんと17.9℃(気象庁発表)。理想的だ。夏の間だけ北海道にセカンドハウスを借りて暮らす人は実際に多いというけれど、本当にうらやましい。


とは言え現実には、東京で毎日仕事に追われているわけで......。できることならクーラーを効かせた部屋にこもっていたいけれど、暑い日に限って取材が立て込むものだ。


Tシャツ姿をたしなめられたり、ジャケット姿をからかわれたり

こうなってくると、地味な話題ながらも割と真剣に考えなければいけないのが「フリーランスの服装」問題。


フリーランスの服装というとラフで自由なイメージを持つ人も多いかもしれないが、実際は職種によって随分と違う。ライターという職種では、かっちりとした服装を求められる場面もある。取材先が大企業の役員や大学教授である場合などは、夏場でもYシャツ・ジャケット着用を求められることが多い(Tシャツで取材現場に出かけてたしなめられた経験あり)。


一方では「ラフであることがTPOに適う」という場合もある。IT系のスタートアップ企業へ取材に行けば、ほとんどの場合、社長も役員もTシャツ1枚だ。そんな中でYシャツにジャケット姿なんて、浮き過ぎもいいところ。


求人広告代理店の営業職から編集プロダクションに転職したばかりの頃は、この絶妙なTPOが判断できずにいつも浮いていた。さすがにネクタイは締めなかったものの、営業時代の習慣が抜けきらずにYシャツとジャケットがなければ落ち着かない自分がいたのだ。取引先から「役員みたいな格好をしてるね」とからかわれたこともあった。


「服装が規定されている」というのは、案外楽なのかも

それからは基本的にラフな服装でどこへでも出かけるようにしている。思えばネクタイなんて、営業を辞めてからは冠婚葬祭くらいしか出番がない。そうかと思えば前述のように、大企業の役員や大学教授を相手にした取材へTシャツで出かけてたしなめられることもある。


いい大人がこんなことを言うのもどうだろうか......と思うものの、フリーランスの服装選びは実際のところ、難しいのだ。会社員であれば職場に一定のルールや共通理解が生まれ、「誰を真似するか」というガイドラインもあるだろう。経営者が保守的な考え方をする人であれば、今どき当たり前になったクールビズさえ認められないかもしれない。実際に真夏でもジャケットとネクタイが必須という会社を知っている。


それでも、からだ。


瞬間の勝負に挑むライターにも、どうか服装の自由を

営業職だった頃は、僕自身も服装に関しては割と保守的な考え方だったように思う。クールビズが一般に浸透するまでは真夏でもネクタイを締めていたし、「仕事で着るものとプライベートで着るものはまったく別だ」と思っていた。


でもライターという仕事を生業にし、フリーランスになってからは、その考え方がガラリと変わった。その場その場で、いかにして最大限のパフォーマンスを発揮できるか。それを基準に物事を考えるようになったのだ。固定給などない、成果報酬がベースの世界で働いているのだから、当然といえば当然だと思う。


猛暑日に出かけた取材先で暑苦しい格好をしていれば、ただでさえ暑がりの自分が回復するにはとても時間がかかる。最近ではクーラーの設定温度だって人よりも環境に配慮しているから、屋内でもそんなに涼しくはないこともある。汗をダラダラ流しながら、冷静で的確なインタビューなんてできるはずがない。


こう書くといかにも人の目を気にしない自分勝手な人間のようにも思うけれど、僕が売り物にできるものの大半はその場で瞬発的に発揮するスキルにかかっているのだから仕方がないのだ。インタビュイーだって「なぜこのライターはわざわざ暑苦しい格好をして、いつまでも汗を垂らし続けているのだろう」と怪訝に思うだろう。


僕の仕事がクリエイティブかどうかは別として、クリエイターというものは、その場限りの瞬間の勝負にいつも挑んでいるものだ。だから、服装もそれに最適化された自己本位なものであってもいいのだと思う。ライターやインタビュアーは中途半端にビジネスの色が付いてしまう仕事だけれど、本質的には同じはず。


そんなことを思いつつ、今日も僕は「念のため」バッグにジャケットを入れて取材に出かけるのだ......。日本中のビジネスパーソンがTシャツ1枚で仕事をする日が訪れることを祈りながら。


記事制作/多田 慎介


【ライター】多田 慎介
フリーランス・ライター。1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイトとして入社し、転職サイトなどを扱う法人営業職や営業マネジャー職に従事。編集プロダクション勤務を経て、2015年よりフリーランスとして活動。個人の働き方やキャリア形成、企業の採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。

ビジネスノマドジャーナル編集部
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