【副業・複業時代を生き抜く】第8回:フリーのライターは飽和状態!? 選ばれるには「固有の体験」「専門性」を武器にする

キャリア
2017年07月24日

現在では、文系総合職にも広まりつつある、フリーランスという働き方。本シリーズでは、興味はあるものの、「現在の仕事や職種と、どう接続できるのかがわからない」という方に向けて、フリーランスとして活躍するために必要なスキルや経験の身に付け方について、解説をさせていただいています。

第4弾となる今回は、未経験から"ライター"になるには?というケースを取り上げ、私自身の経験を交えてお話したいと思います。


【モデル:Dさん】
社会人7年目、女性30歳。新卒で憧れの大手広告企業へ入社し、営業職として3年勤めたのち、規模の小さい広告会社へ転職。主にデジタルコンテンツを手がけ、営業から企画制作まで一貫して担当。
制作を外注することがよくあるため、フリーランスという働き方には馴染みがある。フリーランスでのライター業に興味あり。


参入障壁が下がり、人気が上がりつつある"ライター"

Dさんのように、「ライターになりたい」という願望を持っている人は、意外と多いようです。
かつては、紙媒体が主流でした。活躍の場は限られ、狭き門であると同時に、かなり専門性の高い仕事だったと思います。ですが、Web媒体で情報を得ることが一般的になってきたことで、間口は一気に広がりました。クラウドソーシングが発達したことも、理由の一つでしょう。


また、SNSが広まったことで、表現するという行為が身近になりました。専門職でなくても、文章で自らの考えを綴って世界に発信することができるようになり、自己表現ツールとして活用している人も多いと思います。
こうした理由から"ライター"を名乗る人は、かなり増えてきているのです。


私自身、ライター歴はまだ10ヶ月という駆け出しです。大した実績もない私に機会を下さっているパートナーの皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
では、どうやってなったのか?というと、私の場合は、SNSで宣言しただけ。そして、ライターという肩書を加えた名刺を作成しただけ、なんです。


自分が得意とする専門分野で勝負する

世の中"ライター"と名乗る人は掃いて捨てるほどいます。前述した通り、名乗るだけなら、誰にでもなれる職業だからです。名刺さえ作れば、ガンガン営業をかけられます。
そんな中で生き残るのに必要なのは、もちろん文章力。言わずもがな、文章が下手では、ライターとしては成立しません。最低限の文章力は必要ですし、磨き続ける努力が求められます。
しかし、文章力だけでは、専門教育を受けた生粋のライターや、編集者からライターに転身した文章のプロには、到底勝てません。では、どうしたらいいのか。そこで武器になるのが、専門性です。


私は、もともとキャリアコンサルタント兼チアダンスのインストラクターとして活動していました。しかし、妊娠してインストラクターとしての仕事をいくつか手放すことになり、空きができてしまったのです。そんな時、とある企業から「就活生向けのサイトで、就活ノウハウをテーマにコラムを書かないか?」と声をかけていただいたことがきっかけでした。


私は、子どもの頃から本の虫で、活字を読んでいないと落ち着かないタイプです。読書感想文が得意で、夏休みの宿題の中でも真っ先に終わらせ、ささやかながらコンクール入賞の経験もありました。そんな、文章を読むのも書くのも大好きな私にとっては、夢のようなオファーでした。でも、その時点ではライターの経験はなく、はたしてお引き受けして良いものか悩みました。
ですが、担当者の方は、「何千人、何万人もの学生を相手に、講演されてきたんですよね。その時話していたことを、文章にしてくれれば良いんです」と言ってくださったのです。
これは、新鮮な気づきでした。「確かに、書いたことはないけれど、喋ることならできる。それを文章にすればいいのなら、なんとかなりそうだ!」と思いました。


この時私に期待されていたのは、ライターとしての文章の上手さより、キャリアコンサルタントとして培った経験や肌感覚です。人材領域に10年以上従事してきた専門性が、思わぬところで役に立ったのです。今でも、オファーをいただくのは、働き方に関するコラムや、経営者の思いを言語化するインタビュー、就活ノウハウや転職についてのアドバイスなどです。


最近では、子育てノウハウについて書かれたサイトで、子育て経験のあるママが、自身のケースを元に発信している記事なども、よく見かけます。人づてで仕事を紹介していただく際に、「美容や芸能の記事を書ける人はたくさんいるんだけど、ビジネスの現場がわかっていて、ビジネスマン向けの文章を書ける人って、意外と少ないんだよね」と言われたこともあります。会社員時代の経験がここで役に立つとは、と、またしても驚いた記憶があります。


会社員時代の繋がりをフル活用しよう

ここからは、Dさんのケースを見ていきましょう。


・広告業界ならではの事情
・ターゲットを明確にし、訴求ポイントをクリアにする力
・商品サービスを魅力的に見せるノウハウ


などについては、Dさんの持っている強みだと言えそうですね。Dさんの専門性を活かすなら、コピーライターなどが良いかもしれません。


コピーライターは、"商品・サービスのキャッチコピーを作る人"だと思われがちですが、それだけではありません。例えば、カタログやキャンペーンサイト、イベント告知、商品レビュー、販促物などに載せる文章など、幅広く担当します。


かつてマス広告が主流だった時代と異なり、広告を見た人が直接アクションするように持っていく"ダイレクトマーケティング"の要素が強い現在では、購買意欲をかき立てる文章が書ける人が、より求められているのです。


その点Dさんは、広告業界に長く身を置いているので、誰をターゲットとし、どう訴求すればいいか、よくわかっているはずです。あとは、それを文章として表現していくだけですから、他の人に比べてアドバンテージがあります。


とにかく書く!修行を積もう

それでは、フリーのコピーライターとして活躍するために、今後、できれば退職前までにどのようなことをしておく必要があるのでしょうか。


・とにかく書いて、プロに見てもらう
・講座に通う
・賞に応募してみる


といったことが挙げられます。


Dさんの場合は、仕事で身近にコピーライターやクリエイティブを担当する人がいるはずです。これは、大変心強い環境ですよね。
新人のコピーライターは、"100本ノック"などと称して、一つの商品サービスに対し、あらゆる角度から魅力を表現したコピーを書きまくるのだそうです。こうした作業に、ぜひトライしてみましょう。そして、身近にいるクリエイティブのプロの中から信頼できる人を選び、アドバイスをもらいましょう。コピーライターは、センスが命。果たして自分にそのセンスがあるのか、吟味してもらうと良いでしょう。


コピーライターになるための講座は、ネットで調べてみると、様々な種類のものが出てきます。まとまった費用や時間を要しますが、先行投資だと思って挑戦してみるのも良いでしょう。


たたき上げで修業をすることも大切ですが、専門知識や技術が習得しておくことは、長く続ける上では財産になると思います。また、同じ業界を志す者同士、人脈も繋がりますし、情報も入ってきやすくなりますよ。


ある程度力をつけられたら、コンクールや賞に応募してみると良いでしょう。自分の実力がどの程度通用するか試してみる、今の自分に足りないものを認識するという意味で、良い機会になると思います。また、それがご縁で人脈が広がったり、仕事のチャンスがもらえたりすることも、あるかもしれません。


いかがでしたでしょうか?
人より上手い文章を書ける人が増えている分、書く技術は磨き続けなくてはなりません。自分のホームページやブログ、SNSなどに、積極的に文章をアップし続けましょう。見せる予定のない日記より、人目に触れることを前提としたSNSの方が、緊張感があって磨かれると思います。また、ライターとしての実績がない中で、「こんな文章を書く人なんだな」と感じてもらえるツールにもなりますよ。


今回は、コピーライターという職種を取り上げてみましたが、ライターにもいろいろあります。インタビューして内容をまとめる、あるテーマに沿って自分の意見をまとめて情報発信するなど、様々な形態があります。"書く"技術以外に、自分にはどんな強みがあるのか、専門性があるのかを探り、他者と差別化できるように工夫してみてくださいね。


取材・記事作成/天田 有美


専門家:天田有美
慶應義塾大学文学部人間科学科卒業後、株式会社リクルート(現リクルートキャリア)へ入社。
一貫してHR事業に携わる。2012年、フリーランスへ転身。
キャリアコンサルタントとしてカウンセリングを行うほか、研修講師・面接官などを務める。
ライター、チアダンスインストラクターとしても活動中。



ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
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