【新しい働き方・副業】第16回:本の翻訳ってどうやるの?

新しい働き方ブログ
2017年06月15日

先日、あるクライアントさんから本の翻訳ってどうやるのという質問をいただきました。営業支援の会社でマーケティングの仕事をされているその方は、アメリカの専門書でお気に入りの本があり、それを日本語に翻訳したいというのです。私もこれまでに二冊の本を翻訳出版し、現在三冊目を翻訳中ですが、本を翻訳して出版する方法について、自分なりの経験からお伝えしたいと思います。


■はじめに翻訳したい本ありき

当たり前のようですが、まずは自分が翻訳したい本があることが前提です。一方で、これが当たり前でないケースが少なくありません。というのは、世の出版社の多くは、日本語に翻訳したら売れそうな本を求めていて、そのような本はないかと探しているケースが多いのです。しかし、ベストセラーなどの売れそうな本の多くは既に押さえられているケースがほとんどです。従って、翻訳したら売れそうな本を探すのではなく、自分が読んで面白いと思う本、自分が真に価値があると思う本を翻訳することをお勧めします。


私が現在翻訳している本は、あるオーストラリア人が書いたマーケティングの本ですが、AmazonのKindleでたまたま見つけた本です。一通り読んでみて、これは日本の中小企業経営者のためになると思って翻訳し始めました。他の分野でも同様に、自分自身で価値を見出した本を翻訳するのがいいでしょう。


■翻訳したい本が見つかったらまずは著者へコンタクト

翻訳したい本が見つかったらまずは著者へコンタクトしましょう。最近は多くの著者が連絡先のメールアドレスやソーシャルメディアのアカウントを公開しています。私はFacebookLinkedInで著者のアカウントを探してコンタクトしています。


著者のコンタクト先が見つかったら翻訳したい旨を伝え、先方の出版社の担当者を教えてもらいます。出版社の担当者を教えてもらったら、その本の日本での翻訳状況と日本の翻訳エージェンシーを教えてもらいます。続いて日本の翻訳エージェンシーにコンタクトして版権の状況を確認します。版権がフリーであれば出版を引き受けてくれる出版社を探します。


■出版社探しが一番大変

翻訳出版の過程で最も難しいのが出版社探しです。まずはA4用紙数枚程度の出版企画書を作ります。出版企画書には書名、著者名、出版社、概要、章立て、著者プロフィールなどの情報を盛り込みます。出版社の人が一目で内容がわかるようにまとめるのがポイントです。


出版社へのコンタクトの仕方ですが、特につてがない場合は持ち込む以外に方法はないでしょう。私も、最初の本を翻訳出版した時は、興味を持ってもらえそうな出版社にはほとんどメールしました。引き受けてくれる出版社を見つける事が翻訳出版を実現させる絶対条件です。


■本の翻訳はどれくらい儲かるのか?

さて、気になる本の翻訳で得られる収入ですが、これははっきり言ってあまり期待しない方がいいでしょう。特に初めて翻訳出版する場合は実績がないとして相当足元を見られます。通常は印税をもらいますが、数パーセント程度と見積もっておいた方がいいでしょう。


また、本の翻訳は仕事を始めてからお金を受け取るまでに相当の時間がかかります。私の場合、翻訳したい本を見つけて著者や翻訳エージェンシーにコンタクトして版権を確認し、出版社を探し、翻訳し、出版し、最初の印税をもらうまでに1年以上かかりました。どんなに速くしたとしても最低数か月から半年はかかってしまうので、収入目的で本の翻訳を行うのは現実的ではありません。


それでも、本が売れて重版がかかると追加で印税をもらえるので、ちょっとしたボーナスのようにはなります。ただし、これも予測できるような類の収入ではありません。収入を得る手段としては本の翻訳という仕事は、非常によろしくないとすべきでしょう。


記事制作:
ジャパンコンサルティング合同会社
代表 前田健二


ビジネスノマドジャーナル編集部
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