【イクボスのススメ】第1回:会社の居心地は半径5メートルで決まる

新しい働き方ブログ
2017年04月19日

昨今、長時間労働の削減や副業・複業、柔軟な働き方など働き方改革についての話題は事欠きませんが、制度、仕組みといった分かりやすい話ばかりが先行しているように感じています。もちろん、制度や仕組み、個人の意識が変化してきているのはとてもいい傾向だと思っていますが、それだけでは会社で働く個人個人の毎日は変わりません。


そこで、この連載では「イクボスのススメ」と題して、新しい働き方を推進するためのマネジメントのあり方についてお伝えしていければと思います。


そもそもイクボスとは・・・

さて、イクボスという言葉が出てきましたが、みなさんはこの言葉をご存知でしょうか。私が参画しているNPO法人ファザーリングジャパンの定義によると、下記の様に記載されています。


「イクボス」とは、職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことを指します(対象は男性管理職に限らず、増えるであろう女性管理職も)。


いくつかポイントがあるのですが、まずはイクボスと言っても、育児をしているボスでもなければ、育児をしているメンバーだけを支援するボスでもありません。これからは育児に限らず、介護や学びも含め何かしらの制約をもった社員をマネジメントしていく時代であり、このように一緒に働く仲間のキャリアと人生を応援するボス(上司)という意味です。また、もう一つ大事なのは、ただ単に社員に優しく、甘く接するのではなく、組織の業績においても結果を出すというのがポイントです。ただ単に優しいだけだと、継続しません。強いからこそ、優しくできるということですので、ちゃんと結果も両輪で回すことが求められます。


なぜイクボス的マネジメントが求められるのか

私はこのイクボス的マネジメントが、今後多くの企業、組織で求められてくると思っています。それにはいくつか理由がありますが、一番は今後少子高齢化で、間違いなく労働人口は激減していき、そしてそれと同時に、女性の社会進出、活躍推進がさらに進んでいくことです。共働き世帯も1997年に専業主婦世帯を抜いて逆転して以降、右肩上がりに上がっていますし、核家族化も進んだ今、家事・育児は夫婦で分担していかなければなりません。


そうなると当然、企業側へのニーズとしても、社員のライフを支援することが求められてきます。また、イクボスの存在は組織のモチベーションやチームワークの向上、そして強い組織作りにも寄与します。働き方改革というと、制度や仕組みの話ばかりに終始してしまっていることが多いですが、むしろこのマネジメントやコミュニケーションといったところが働き方改革にとってカギだと思っています。


実際、同じ会社、同じ制度だったとしても、上司が変われば運用が違うなんて話はよくあります。人事の世界でも、「運用8割」って言葉があって、いくら制度や仕組みがあったとしても、それがきちんと運用されてなければ意味がありません。逆に制度とまではいかなくても、このようなイクボスが上司だったら、間違いなくその組織のコンディションは変わってきます。


会社の居心地は半径5メートルで決まる

私は社員のみなさんにとっての会社の居心地と言うのは、半径5メートルで決まると思っています。どんな大きな会社であっても、小さな会社であっても半径5メートル。すなわち、上司を中心とした同じグループの居心地が、その人にとっての会社の居心地、ロイヤリティ、モチベーションになるわけです。


昔は、終身雇用で、頑張れば評価され、昇進、昇格して行ける時代であり、そのような分かりやすいニンジンをぶら下げれば社員が頑張ってくれていたかもしれませんが、これからはいろいろな制約を抱えた社員をマネジメントしなくてはいけませんので、一筋縄にはいきません。メンバー個々の事情や想いを理解したうえで、カスタマイズされたマネジメントが、モチベーションの高い、チームワークのいい組織つくりに繋がり、そしてそれが組織の結果にもつながっていくわけです。実際、同じ会社であっても、上司が変われば、その組織の雰囲気やパフォーマンスは大きく変わりますし、私は制度よりもマネジメントの方が組織への影響力が大きいと思っています。


まとめ

第一回ということで、そもそもイクボスとは何か、そしてイクボスの存在が会社の居心地を決めているという事をお話させていただきました。次回以降、イクボス的マネジメントの心得やイクボスの育て方など、私の経験や事例を踏まえながらお話してければと思っています。


記事制作:
株式会社ミライフ 代表取締役社長 佐藤 雄佑


佐藤 雄佑
新卒でベルシステム24入社。マーケティングの仕事に従事。そこで「やっぱり最後は人」だと思いリクルートへ。リクルートでは営業、支社長、人事GM、エグゼクティブコンサルタントなどを歴任。MVP、MVG(グループ表彰)などの表彰多数受賞。リクルートホールディングス体制構築時(2012)には人事GMとして、リクルートグループ(現リクルートキャリア)の分社・統合のプロジェクトを推進。子供が生まれた時には、半年間の男性育休を取得し、主夫を経験。2016年、株式会社ミライフ設立。

ビジネスノマドジャーナル編集部
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