【外国人労働者の増加で職場・生活はどう変わる?】第3回:外国人労働者問題を考えるなら、まずは在留資格の違いを知ることから

新しい働き方事例
2017年04月13日

外国人労働者が年々増加している日本。外国人労働者といっても、在留資格はさまざまです。就労といっても、アルバイトや駐在員、研究者や外国語教師など、さまざまなかたちがあります。


厚生労働省発表によると、2015年10月末、日本で就労する外国人は、約90.8万人いました。そのうち、「身分に基づき在留するもの」が約37万人、「就労目的で在留が認められるもの」が約17万人、「特定活動に従事するもの」が約1万人、「資格外活動」が約19万人、技能実習生が17万人となっています。


今回は、それぞれの在留資格がどういった性質のものなのかを解説します。


就労制限なしの外国人が多数派

外国人労働者のカテゴリーとして一番多いのが、「身分に基づき在留する者」の約37万人です。全体の4割程度を占めており、永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者など、日本に生活拠点がある人のことを指します。


この「身分に基づく在留資格がある人」は、就労制限がありません。就労する職種や労働時間などの制限がないのです。


日本は、ビザを取得しづらい国です。そのため、もともと日本に居住資格があり、就労制限のない「雇用しやすい外国人」が、外国人労働者の多数派になっているのだと思われます。


会社としても、日本の滞在資格がなく、就労制限がある外国人より、すでに滞在資格があり、就労制限がない外国人を採用したほうが楽ですよね。


外国人労働者の受け入れが拡大し、就労ビザが取得しやすくなれば、「身分に基づき在留する者」が占める割合が、相対的に少なくなっていくかもしれません。


専門的・技術的分野で働く外国人

「身分に基づき在留する者」に次いで多いのが、「就労目的で在留が認められる者」です。専門的・技術的な分野で働く人のことで、仕事のために日本に来ている人や、仕事があるから日本に滞在できる人のことを指します。


この「専門的・技術的分野」というのは、教授や法律関係、研究、教育、国際業務、企業内転勤、スポーツ指導、調理などに従事する場合を指します。


外国人労働者受け入れに際し、「世界の優秀な人材を日本に迎え入れられる」という主張がありますが、その場合は、この「専門的・技術分野で働く外国人」を指しています。


この資格による滞在許可への条件は、上陸基準省令によって定められています。たとえば、研究職や教育職は、大学卒業などの学歴、実務経験○年以上などの職歴が求められます。法律業や医療に携わる場合、日本の国家資格を持っていなくてはいけません。


つまり、「すでに経験があり、優秀である人」のみが、この条件に当てはまることになります。2015年の統計を見ると、働いていた外国人労働者の約19%、約17万人が、この資格で日本に滞在していました。技能実習生も約17万人で、同じくらいの人数です。


この「専門的・技術的分野で働く外国人」の受け入れは、日本にも大きなメリットがあります。そのため、国は活動制限の緩和や手続きの簡略化など、受け入れ態勢の見直しを図っています。


条件付きで就労が認められる外国人労働者

ほかにも、許可を得れば、就労できる資格があります。たとえば、留学生は本来の目的を阻害しない範囲でアルバイトすることができます。また、ワーキングホリデーや外国人看護士なども、許可があれば働けます。技能実習生は、国際協力という名目のもと、就労が認められています。


留学生でアルバイトなどに従事する人は約19万人で、ワーキングホリデーなどを含む特定活動を行っているのは、約1万人となっています。


留学生やワーキングホリデー従事者、技能実習生は、その資格に応じ、条件付きで就労が認められています。この資格を持っている人の多くは、短・中期的に日本に滞在し、いずれ日本を出ることが前提となっています。


コンビニやスパーのレジなどで働いている外国人は、このように条件付きで就労が認められている人が多くなっています。


「外国人労働者」はだれを指すのか?

このように、「外国人労働者」とはいっても、滞在資格や就労条件は一様ではありません。日本人が外国で働くとき、数種類のビザの選択肢があるのと同じです。


そのため、「外国人労働者」の定義も、使う場合の背景によって変わってきます。日本で長期間働いていて、永住許可が下りている人も、「外国人労働者」として扱い続けるのか。1年で帰国する留学生アルバイトも「外国人労働者」の枠に入れるのか。外国人労働者といっても、さまざまな解釈があります。


本連載では、基本的には「外国人雇用状況届出」によって把握されている外国人労働者すべてを指します。


「外国人労働者」の議論をするときは、「だれを指しているのか」という前提条件をはっきりさせなくてはいけません。


「外国人労働者」についての記事や議論を、より正確に理解するためには、「どの外国人労働者のことを指しているのか」を意識してみるといいでしょう。


取材・記事制作/雨宮 紫苑


ビジネスノマドジャーナル編集部
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