【外国人労働者の増加で職場・生活はどう変わる?】第1回:ついに100万人超え!在留資格別・国別で見る外国人労働者受け入れの現状

新しい働き方事例
2017年03月30日

「人口減少」や「少子化」が取り沙汰されている日本。それに呼応し、「日本も外国人労働者をもっと受け入れるべきだ」という議論が活発になってきています。


「労働力不足解消のため」と外国人労働者の受け入れへ前向きな人がいる一方で、否定的な声が大きいのが現状です。日本は、島国という地形もあり、世界最古の国として「日本」を保ち続けてきました。また、長い鎖国状態の歴史もあります。そういったことを踏まえると、外国人受け入れに否定的な人が多いのもうなずけます。


実際、外国人受け入れとはどういうことなのか。日本は受け入れを進めるべきなのか。24回にわたる本連載では、大きく6つの章に分けて、外国人労働者が置かれている現状や、受け入れるとどうなるかなどについて、分析と検討をしていきます。


日本にいる外国人の国籍は?

ヨーロッパやアメリカに比べ、日本に住む外国人の数は、圧倒的に少ないのが実情です。それでも、日本に住む外国人は、確実に増えてきています。法務省の2015年末の統計によると、中長期で日本に滞在している外国人は、188万人以上いました。札幌市の人口よりやや少なく、神戸市の人口より少し多いくらいです。


外国人雇用の届出をもとにした厚生労働省の統計によると、2015年10月末の時点での外国人労働者は、91万人ほどでした。約188万人の外国人がいることを踏まえると、日本に滞在している外国人の48%が、日本で働いているということになります。翌年の2016年には、外国人労働者が100万人を超え、4年連続で過去最高を更新したと発表されました。


日本に中長期滞在している外国人の国籍は、中国籍が29.8%と最多で、韓国の20.5%、フィリピンの10.3%が続きます。ブラジル、アメリカ、ペルーを除き、上位10カ国中7カ国はアジアの国となっています。


出典:
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00057.html


なぜブラジル、アメリカ、ペルーなのかというと、海外日系人の存在が大きいと思われます。


海外日系人協会によると、海外日系人数は、ブラジルが160万人、アメリカが130万人、ペルーが10万人と、トップ3カ国になっています。日系人は外国籍を持っていることも多いので、外国人として日本で暮らしているのでしょう。


外国人労働者の国籍は、外国人全体の統計と似ているのですが、少し違いが見られます。中国籍の方が31.8%で最多というのは変わりませんが、韓国籍が全体の割合に比べて少なく、ベトナムが全体の割合に対して多いという結果になっています。


出典:
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11655000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu-Gaikokujinkoyoutaisakuka/546174.pdf


外国人労働者の在留資格の内訳

外国人労働者は、日本に滞在するための在留資格が必要です。厚生労働省による2016年の外国人労働者の在留資格の統計を見てみると、在留資格別の割合は、以下のようになっています。


・身分に基づく在留資格:413,389人(38.1%)
永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者など


・資格外活動:239,577人(22.1%)
留学など


・技能実習:211,108人(19.5%)

・専門的・技術的分野の在留資格:200,994人(18.5%)
教授、報道、法律、研究、教育、企業内勤など


・特別活動:211,108人(1.7%)


「身分に基づく在留資格」を持っているのが4割弱を占めているということは、日本に拠点を完全に移している人が多い、ということです。「外国人労働者」とはいえども、職があり、長く住めば、そのまま日本に滞在する人が多いのは当然です。また、家族単位で移住してくる外国人も少なくありません。技能実習生のように帰国する前提の就労もありますが、多くの外国人労働者は、長期滞在していることがわかります。


つまり、外国人労働者への門戸を広げることは、「多くの外国人が日本に定住する」ことでもあるのです。決して、都合よく日本に来て、日本で稼いで、日本から出て行くわけではありません。


反グローバリズムのなかで日本はどう動く?

難民政策をめぐって、参加国の溝が深まったEU。私が暮らしているドイツには、大量に押し寄せてきた移民や難民を快く思わない人が大勢います。また、イギリスは他者統治を嫌い、EUの離脱を決めました。アメリカ・ファーストを掲げたトランプ米大統領は、反移民政策を進めています。


急激に進んだグローバル化の反動か、ここ最近ではナショナリズムが高まり、反グローバリズムを叫ぶ人が増えています。


日本もまた、外国人受け入れに関する決断を迫られています。ですが、「外国人を受け入れる」ということはどういうことなのかを、しっかり想像できていない人が多いように思えます。


「反・移民」の風が吹くなか、いまさら外国人に頼ろうとしている日本。外国人労働者は、本当に日本の救世主となり、日本の経済発展に貢献してくれるのでしょうか。


全24回の連載で、外国人労働者受け入れについて考えていきましょう。


取材・記事制作/雨宮 紫苑


ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
▼ この記事を気に入ったらシェアをお願い致します。 ▼

オススメ記事