【地方創生・北海道】見逃されてきた地域資源を発信...北海道 経済・観光イノベーションフォーラム(第4回)

ストーリー
2017年03月20日

首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのような事業展開を進めるべきなのか、北海道札幌市に住む筆者が北海道で開催された「地方創生」に関するイベントのレポートを行っていきます。


今回は1月17日・火曜日に開催された「北海道 経済・観光イノベーションフォーラム2017 ~観光と他産業による新たなビジネスチャンスを探る~」(主催/経済産業省北海道経済産業局、日本経済新聞社札幌支社、株式会社JTB北海道)のレポートを、登壇者ごと5回に渡ってお送りします。


4番目の登壇者は、岩見沢市経済部観光物産振興課の戸沼貴志さん。「岩見沢市の観光振興への挑戦 ~岩見沢市『新・観光ディスティネーション宣言』~」と題した講演を行いました。


観光におけるSWOT分析を行い戦力的な事業展開を目指す


岩見沢市は札幌から車で北へ1時間ほど行った場所にある人口8万人強の町で、これまでは「観光地」としての知名度はそれほど高くはありません。基幹産業は農業で、現状の課題は人口の減少となっています。


北海道の訪日外国人旅行者数は、2015(平成27)年に1973万人と、前年比で47.1%の大幅増を達成しましたが、岩見沢はその「恩恵」を受けることはありませんでした。そこでSWOT分析を行い、岩見沢の強み・機会を洗い出しました。


強みとしては、ヨーロッパに似たのどかな自然風景や札幌・新千歳空港からのアクセスの良さ、豊富な農産物と果樹園が挙げられました。そして、機会としては札幌・小樽間という定番観光ルートの飽和化があります。


これらを把握したうえで戦略的に観光事業を展開していく...岩見沢ならではの「新・観光ディスティネーション」を目指すことになりました。




旅行会社とのコラボレーションで観光事業を展開


現在は市長をトップに、時代に合わせた事業を行っています。2015(平成27)年度からJTB北海道とコラボレーションし、観光マーケティング・ブランディング戦略を策定。「農業」「ワイン」「スノー体験」「歴史」「エンターテインメント(ロックフェス・遊園地)」という5つの資源を武器に、その魅力を道外の観光客・アジアの富裕層に伝える戦略を、3年間に集中して展開します。


具体的には、JICA研修生が参加した農家体験ツアーやワイン・フードのモニターツアー、台湾へのトップセールスなどをすでに実施しています。


ふるさと納税は1億円を超えるなど好調を維持していますが、今後は「市民のための活動」と「観光客のための活動」の両方を行えるようスタッフを増員、寄付や助成金に頼ることなく「自ら稼げる観光協会」を目指していくことになります。2016(平成28)年には観光協会のホームページを一新、地元のイベントを紹介するだけではなく、これまで見逃されてきた岩見沢の価値を発信するサイトへと進化しました。


3年間という期限を区切って観光産業の振興に乗り出した岩見沢が、地域の観光事業の活性化のロールモデルになるかもしれません。


取材・撮影/橋場了吾(株式会社アールアンドアール)


【専門家】橋場 了吾
同志社大学法学部政治学科卒業後、札幌テレビ放送株式会社へ入社。
STVラジオのディレクターを経て株式会社アールアンドアールを創立、SAPPORO MUSIC NAKED(現 REAL MUSIC NAKED)を開設。
現在までに500組以上のミュージシャンにインタビューを実施。
北海道観光マスター資格保持者、ニュース・観光サイトやコンテンツマーケティングのライティングも行う。

ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
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