【地方創生・北海道】実践的なマーケティングで差別化を図る...近藤公彦・小樽商科大学副学長(前編)

働く場所
2017年02月12日

首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのように先代からの伝統を引き継ぎながら、新たな事業展開を図っているのでしょうか?そこで、北海道札幌市に住む筆者が北海道の企業の社長や団体の代表者に「地方創生」について伺っていきます。


今回は小樽商科大学副学長の近藤公彦さんにご登場願いました。小樽商科大学は、国立大学では唯一の社会科学系単科大学(商学部)で、全学生でも2000人ほどの小規模な大学です。この小規模というのがポイントで、少数精鋭だからこそユニークな施策をたくさん行っています。前編では、近藤さんに小樽商科大学としての取り組みについて伺いました。


グローバルな視野でローカルに活躍できる人材の育成に注力

Q:今小樽商科大学が地方創生に向けて行っている施策にはどのようなものがありますか?

「地域貢献的な意味合いで行くと、よく知られているのは通称『マジプロ』(小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト)ですね。科目名とは『社会連携』という授業なんですが、文部科学省の方も視察に来られたプロジェクトです。小樽の街でヒアリングをして、一緒に商品を作ったり商店街を活性化させるイベントを開催したりするのですが、これが単位として認められます」


Q:授業で実践的なマーケティングを行っているんですね。

「はい。あと、学校で掲げている『No.1グローカル大学宣言』ですね。グローバルな視点を持ってローカルで活躍できる人材を育成しようというのが、今の学校の理念になっています。そのもとで、教育の面で『グローカルマネジメント副専攻』を作りました。主専攻のほかに横串を通すような形で、海外留学や英語の授業などのプログラムを充実させています


Q:海外でいうダブルメジャーのような感じですか?

「1.3メジャーくらいですかね(笑)。私も来週(取材日は11月24日)からこの副専攻の授業が始まるんですが、6割が留学生、残りの4割は英語の得意な日本人学生で構成されています。『グローカルマネジメント入門』という授業で、指導もディスカッションもプレゼンも全部英語で行います。その副専攻を取っている学生は、アメリカやドイツ、スペインなどへの留学の道が開かれています」
※1学年500人強、そのうち30人ほどが副専攻も選択しているとのこと



Q:副専攻ということは、学生にとってはかなりの勉強量になりますね。

「副専攻でも卒業論文やゼミがあるので、本専攻にプラスされるような状況です。楽ではないと思いますが、学生にとっては良い環境です。北海道にも留学を売りにしている大学は多いですが、その中でも力を入れている方だと思いますね」


目指しているのは『北海道のマネジメント拠点』

Q:そのほかの施策はどのようなものがありますか?

「そうですね、『北海道のマネジメント拠点』を謳っているので、文字通りマネジメント力のある人材を育成するというミッションがあります。私がいるビジネススクール(社会人向けの授業を行っている)のノウハウをベースにして、ビジネスプランを作成したり、北海道財務局と包括連携を結んだりしています。そういう意味では、学外と一緒に行う取り組みも多くなっていますね」


Q:官民どちらとも連携しながら授業を行っているんですね。

北海道は全体的にマネジメントが弱いと良く言われます。『素材はいいけど...』という。その中でその課題を解決できる人材を育成するのが、小樽商科大学の使命だろうと。2005年にここ(札幌駅すぐそばのサテライトキャンパス)ができたのですが、日本で初めて国立大学としてサテライトキャンパスを作ったのが小樽商科大学なんです。その前年からビジネススクールが札幌へ進出していたんですが、文部科学省からは『小樽の大学がどうして札幌に出てくるんだ』と質問攻めにあったそうです(笑)。当時はサテライトという考え方がなかったようですが、今は普通になりましたよね。そういう意味では、結構先端的な活動をしている大学かもしれません」


(後編へ続く)


取材・撮影/橋場了吾(株式会社アールアンドアール)


近藤公彦
1961(昭和36)年、京都生まれ。同志社大字商学部卒業後、神戸大学大学院へ。
1997(平成9)年より小樽商科大学へ、2013(平成25)年より現職。
専攻は「マーケティングマネジメント」。著書に『MBAのためのケース分析』(2004年)などがある。

【専門家】橋場 了吾
同志社大学法学部政治学科卒業後、札幌テレビ放送株式会社へ入社。
STVラジオのディレクターを経て株式会社アールアンドアールを創立、SAPPORO MUSIC NAKED(現 REAL MUSIC NAKED)を開設。
現在までに500組以上のミュージシャンにインタビューを実施。
北海道観光マスター資格保持者、ニュース・観光サイトやコンテンツマーケティングのライティングも行う。

ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
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