【地方創生・北海道】東海岸だけで50%の人口をカバー、巨大マーケットに進出すべき......米国ビジネスセミナー③(前編)

知見・スキル
2017年01月31日

首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのような事業展開を進めるべきなのか、北海道札幌市に住む筆者が北海道で開催された「地方創生」に関するイベントのレポートを行っていきます。


11月17日・木曜日に、札幌市内で開催された「米国ビジネスセミナーin札幌」。これは、ジェトロ北海道が主催、在札幌米国総領事館経済産業省北海道経済産業局が共催で開催されたセミナーで、外資流通大手のコストコホールセールジャパン株式会社の日本支社長ケン・テリオ氏の講演会もあるということで予定を超える100名近い聴衆が集まりました。
(※ジェトロ=JETRO/日本貿易振興機構)


その中で、テリオ氏のほか同領事館首席領事のレイチェル・ブルネット-チェン氏、ジェトロ・ロサンゼルス事務所の能勢凱夷氏、ジェトロ・ニューヨーク事務所のアンソニー・ガレフィー氏もそれぞれの担当分野について講演を行いましたので、その模様をレポートします。


今回は、ジェトロ・ニューヨーク事務所のアンソニー・ガレフィー氏の講演の様子・前編です。


ソニーやトヨタがここまでの巨大企業になったのはアメリカに進出したから

アンソニー・ガレフィー氏は、同事務所で海外コーディネーター(農林水産・食品分野)を担当。大学で食品流通を専攻し、日本在住時にはアメリカのホールディングカンパニーの取締役として、アジアでの事業拡大を経験しています。ガレフィー氏は「思うほど難しくない米国進出!東海岸から全米へ」という、能勢氏(米国ビジネスセミナー②参照)とは真逆のテーマで1時間ほどの講演を行いました。


ガレフィー氏は、札幌農学校(現北海道大学)で教鞭を執ったクラーク博士の後輩にあたるということで「北海道で食品の話をすることは夢のよう」という話題からスタート。まずはアメリカの食品市場について紹介しました。


アメリカの食品の総合売り上げは145.9兆円。日本は60兆円ほどですので「アメリカの巨大市場を無視しないわけにはいかない」とガレフィー氏は語ります。


「私は学生時代にミノルタのカメラを手に取り、日本の製品の素晴らしさを知りました。社会人になって日本にやってきて、一番すごいと感じたのは、車でもカメラでもありませんでした。食品です。素晴らしいサービス。ソニートヨタはアメリカの巨大市場に立ち向かわなければ、ここまでの大企業になっていませんでした。皆さん、勇気を持ってアメリカへ進出しましょう。Be ambitious!です」(ガレフィー氏)



東海岸は人口も多く所得も高いのが魅力

ガレフィー氏は、東海岸だけで中部から西海岸までを合わせ人口が同じだというデータをもとに「東海岸から攻めるべき」と説明。またアメリカにある3000群の中で所得が高い75群のうち、半分以上の44群が東北部に集中していることを指摘。「能勢さん(ジェトロ・ロサンゼルス)の言う通り、西海岸は日系に強いです。でもこの人口の多さと所得の高さは魅力的」だというわけです。


またアメリカの輸入食材市場は2004年から2014年までの間に111%増加、アメリカの財政赤字の2位が海産物なのです(1位は石油)。


ここで日本の食の凄さを示すエピソードが披露されました。ガレフィー氏はミシュランの星の数を数えたところ、アメリカが162で日本が729。この日本の数は、ミシュランの本国フランスよりも多いというくらい、レベルの高い食品が多いということです。これが、ガレフィー氏が「日本のレストランがアメリカに進出したら大人気になる」と考えている理由にもなっています。


(後編へ続く)


取材・撮影/橋場了吾(株式会社アールアンドアール)


【専門家】橋場 了吾
同志社大学法学部政治学科卒業後、札幌テレビ放送株式会社へ入社。
STVラジオのディレクターを経て株式会社アールアンドアールを創立、SAPPORO MUSIC NAKED(現 REAL MUSIC NAKED)を開設。
現在までに500組以上のミュージシャンにインタビューを実施。
北海道観光マスター資格保持者、ニュース・観光サイトやコンテンツマーケティングのライティングも行う。

ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
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