【地方創生・北海道】健康志向がアメリカを日本食へ向かわせた......米国ビジネスセミナー②(前編)

知見・スキル
2017年01月29日

首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのような事業展開を進めるべきなのか、北海道札幌市に住む筆者が北海道で開催された「地方創生」に関するイベントのレポートを行っていきます。


11月17日・木曜日に、札幌市内で開催された「米国ビジネスセミナーin札幌」。これは、ジェトロ北海道が主催、在札幌米国総領事館経済産業省北海道経済産業局が共催で開催されたセミナーで、外資流通大手のコストコホールセールジャパン株式会社の日本支社長ケン・テリオ氏の講演会もあるということで予定を超える100名近い聴衆が集まりました。
(※ジェトロ=JETRO/日本貿易振興機構)


今回は、ジェトロ・ロサンゼルス事務所の能勢凱夷氏の講演の様子・前編です。


キーワードは「All Natural」「Organic」「Vegan」「Gluten Free」

能勢氏は同事務所で海外コーディネーター(農林水産・食品分野)を担当。(略歴)「アメリカ西海岸で日本産食品を売る!」というテーマで1時間ほどの講演を行いました。


最近のアメリカのトレンドとして、アジア系人口の伸び率が高いことが挙げられます。しかも、全米全体(49800ドル)よりもアジア系(66000ドル)の世帯所得中間値が高くなっています。アメリカにいる日本人、アジア人を対象にしたマーケットも存在していますし、アメリカ人のみを対象にしたマーケットだけではないという現実があります。


最近は健康志向を受け、「アメリカ産日本食品」「他国産日本食品」も増加しているので、これらが日本の商社のライバルになります。特に西海岸の日系市場には「ないものはない」といわれるくらいの品目・品数。日系食品商社の取り扱い品数は130000アイテムにも上るため、「売れる商品」の取り扱いを拡大する商品整理が行われています。


やはりキーワードになっているのは「All Natural」「Organic」「Vegan」「Gluten Free」など。特に注目なのが「Gluten Free」で、スーパーに特設コーナーが設置されるようになりました。また「No MSG(化学調味料不使用)」の評価も高くなっています。



アメリカのバイヤーが何を期待しているかを考えてみる

ではどのような商品がアメリカで成功するのか...ポイントは「類似商品との差別化」と「価格競争力」です。そして意外な落とし穴が「消費期限・賞味期限」。移動や検査などがあるので、商品が店頭に並ぶまでに数か月かかることを加味すると、最低でも1年は必要になります(ちなみに期限が3か月未満の商品はバイヤーが受け取ってくれない)。


またアメリカでの知名度も重要で、知名度が低い商品に関しては日系食品が強い西海岸からスタートするのが良いのでは、とのこと。徹底的な市場調査(ニーズがあるかどうか、価格が適正か)が最も重要で、この調査をしっかりしないで進出してもすでに低価格で販売されているなど、うまくいかないことが多くなります。そしてバイヤーとのルート開拓(実際にアメリカで!)による、長期的な関係構築が成功への近道です。日本企業は数か月で結果を求めがちですが、最低1年はじっくり構えるのが大切になります。


アメリカのバイヤーがどのような商品を期待しているかを考えるかも重要です。どのようなパッケージデザインがうけるのか、説明書きは英語化されているのか、アメリカ向けのバーコードになっているか、など自分がアメリカの仕入れ担当者であればチェックすべき点を改善する必要があります。


(後編へ続く)


取材・撮影/橋場了吾(株式会社アールアンドアール)


【専門家】橋場 了吾
同志社大学法学部政治学科卒業後、札幌テレビ放送株式会社へ入社。
STVラジオのディレクターを経て株式会社アールアンドアールを創立、SAPPORO MUSIC NAKED(現 REAL MUSIC NAKED)を開設。
現在までに500組以上のミュージシャンにインタビューを実施。
北海道観光マスター資格保持者、ニュース・観光サイトやコンテンツマーケティングのライティングも行う。

ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
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