【地方創生・北海道】北海道の良質な"食材"に注目......米国ビジネスセミナー①(後編)

知見・スキル
2017年01月28日

首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのような事業展開を進めるべきなのか、北海道札幌市に住む筆者が北海道で開催された「地方創生」に関するイベントのレポートを行っていきます。


11月17日・木曜日に、札幌市内で開催された「米国ビジネスセミナーin札幌」。これは、ジェトロ北海道が主催、在札幌米国総領事館経済産業省北海道経済産業局が共催で開催されたセミナーで、外資流通大手のコストコホールセールジャパン株式会社の日本支社長ケン・テリオ氏の講演会もあるということで予定を超える100名近い聴衆が集まりました。
(※ジェトロ=JETRO/日本貿易振興機構)


今回は、ケン・テリオ氏の講演のレポートです。


アメリカでも憧れられる会社に成長

コストコホールセールジャパン株式会社・日本支社長のケン・テリオ氏はカナダ出身。1995年にコストコホールセールカナダに入社し、2009年から同社ジャパンの日本支社長を務めています。「企業概要紹介と米国や日本でのビジネスについて」をテーマに、40分ほどの講演を行いました。


ご存知の通り、同社は会員の年会費がビジネスモデルの基幹となっています。倫理綱領は、「法律順守」「会員様を大切に」「従業員を大切に」「納品会社を大切に」「以上4つを大切にすることで株主へ貢献できる」というもの。


そもそも同社は、1976年に1店舗をオープンしたプライスクラブ(高品質の商品、低価格、広告なし、低経費などを徹底。今もこの戦略は受け継がれている)と1983年に設立されたコストコが合併してできた会社。世界でもアメリカでも2番目に大きな小売業者で、世界中に8670万人の会員を持ち、世界中に21万4000人の従業員を抱えています。ここ日本では25倉庫店を構え、8500人の従業員を雇用しています。


その結果、アメリカの代表的な経済誌『Fortune Magazine』の「もっとも憧れられている会社」に2006年から11年連続でランクイン。現在の純売上高は11兆円、利益は2350億円で、アメリカ以外にはカナダ91、メキシコ36、イギリス28など世界中に店舗を持ち、今後フランス・アイスランドにも進出する予定です。


同社の大きな特徴は、敷地の大きさによってワンフロア・ツーフロアの違いこそあるものの、外観・内観がほとんど変わらないこと。日本に初進出したのが1999年。九州・久山倉庫店、翌2000年に幕張倉庫店なのですが、当時の倉庫店運営部長がテリオ氏。一時期カナダに離れますが、2009年に日本支社長に就任後は1年に2店のペースで店舗の拡大を行っています。


日本では兵庫県三木市(西日本担当)・千葉県市川市(東日本担当)に物流センターがあり、フットボールスタジアムが5つほど入る巨大な敷地を持っています。これらを拠点に運送費の削減、当日発送が可能、配送効率・積載効率の向上などを徹底しています。物流センターから商品を各倉庫店に荷物を運んだトラックは、帰り道に大口顧客の倉庫により商品を運んでくるという具合に、徹底して無駄を省いています。



「6Rights」と「80/20rule」を徹底

そして同社が商品の陳列において大切にしているのが、「6Rights(シックスライツ)」。「最適な商品を、最適な場所に、最適なタイミングで、最適な量を、最適な状態で、最適な価格で」というものです。同社の店舗というととんでもない数の商品がありそうですが、実は厳選された3500品目ほどに絞り、幅広いカテゴリーを誇っています。これは「80/20rule(20%の商品が80%の売り上げを占めるという調査結果)」を徹底した結果です。


また生鮮部門が倉庫内にあるのも同社の特色。高品質の商品を低価格で提供(直接クライアントから大量に仕入れることでお客様への還元が可能になる)するためにこの戦略を取っていますが、世界的に見て日本が一番デリ商品の売り上げが多いとのこと。


同社のエコ戦略や天災時サポートについても話されました。天井のスカイライト、屋根のソーラーパネル、LED電球への交換、リサイクル可能な商品包装、水管理プログラムなどを採用し、企業の責任を果たしていきたいと考えています。そして最近は熊本地震の際には水・食料・ブルーシートの寄付やボランティアとしてのサポートも実施しています。


最後にここ北海道について。札幌倉庫店には片道2時間をかけてやってくるお客さんも多く、札幌限定商品としてジンギスカン用の商品をスタート。実はこのような地域限定だった商品が、どんどん全国・世界へ普及していくのも同社の商品展開の魅力となっています。特に今アメリカで人気なのがオーガニック食品ということで、農業大国・北海道への期待は大きくなっています。


同社が世界の中でも魅力的な市場と感じている日本。同社が日本産の地域商品のグローバル化に一躍買っていることは、今後の商品展開戦略のヒントになるかもしれません。


取材・撮影/橋場了吾(株式会社アールアンドアール)


【専門家】橋場 了吾
同志社大学法学部政治学科卒業後、札幌テレビ放送株式会社へ入社。
STVラジオのディレクターを経て株式会社アールアンドアールを創立、SAPPORO MUSIC NAKED(現 REAL MUSIC NAKED)を開設。
現在までに500組以上のミュージシャンにインタビューを実施。
北海道観光マスター資格保持者、ニュース・観光サイトやコンテンツマーケティングのライティングも行う。

ビジネスノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。
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